アフリカ~北海道移住 7. 最幸の国 タンザニア④ 山あり谷あり~家庭教師
私が農業を始めた背景を知っていただきたくて、アフリカへ行く直前くらいから就農するまでの出来事を記載しています。しょうもない内容もかなり多いので、あまり期待せずに読んでいただけると幸いです…
(前回までのあらすじ)
自信満々で授業を始めるもすぐに生徒から授業をボイコットされる。
しばらく落ち込み、ボイコットが収束しても授業をやるのが怖かったが、気を取り直して英語を生まれて初めて猛勉強することにした。学校の英語教師に教えてもらったり、英語の映画DVDを字幕なしでわかるようになるまで何回も再生したり、授業以外の時間は殆ど英語の勉強に費やしていた。その甲斐あって、自分の授業に少しずつ生徒が戻ってきた。しかし、それでも出席率が悪いような気がしていた。いちいち出席を取る暇はなく、また席も決まっていないので誰が来ていないのかパッとわからないのだが、2クラス同時に行っているため本来なら立ち見が出てもおかしくない広さであるにもかかわらず空席が目立っていた。当時は再び自信を取り戻し、モチベーションも高かったので通常授業が終わった後も補講を行ったりしていた。そんなある日の夕方、補講のため教室に入ると見知らぬタンザニア人男性が俺の代わりに教壇に立っている。教室内は俺の授業には絶対に出席しないやつも勢ぞろいしており、満員御礼状態である。頭の中は?でいっぱいになった。『部外者は出ていきたまえ。ぜんたい、貴様は何者だ』と強い調子でそのあんちゃんに詰め寄ると、ちょっと申し訳なさそうに『自分は家庭教師である』と宣った。ますます?である。状況を呑み込めないでいると、生徒の一人から、『その男は我々生徒がカンパして雇った家庭教師である。なんなら、あんたは邪魔しないで出て行ってもらいたい』という旨のことを伝えられた。やっと状況を呑み込めた。生徒たちは、俺の授業に不足を感じている・或いはちゃんちゃらおかしくて出席していられないため、わざわざなけなしの金を出し合って家庭教師に授業をさせていたのである。しかもそこには自分の授業に出てこない生徒も大勢いた。改めて状況を理解すると怒りが湧いてきて、今度は声に出して切れた。お前ら嫌がらせか、何なんだ。俺は真面目に授業をしているのにどういう仕打ちだ。人種差別か、このやろう。等々ぶちまけ、困り果てている家庭教師を外に連れ出し、強制退場させた。生徒たちの冷ややかな視線を背中に感じながら・・・ 続く
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